東条英機と言うと、どんなイメージを思い浮かべるだろう?
独裁者、極悪人、軍国主義者、ファシスト、A級戦犯?
一般的な日本人のイメージは、おおむねこんな感じだろう。僕もついこの前までそう考えていた。
しかし、これらはすべて間違っている。
(A級戦犯は、東京裁判でそう決められたけど、サンフランシスコ講和条約後、戦勝国の同意のもと日本政府の手によって名誉が回復されているので、間違っているとした。だから靖国神社に合祀されても、全く問題ないってことだね)
なぜ、そんなことが言えるかって?
それはこの本を読んだから。
東京裁判の時の、東条英機の宣誓供述書。宣誓して供述したってことは、誓って事実を述べているってことで嘘は無い。ちなみにこの本、GHQの発禁図書第一号。
よっぽど、戦勝国側にとって都合の悪いことが書いてあったんだろうね。
こちらは、渡部昇一氏による解説付き。東条さんの供述書の部分はおんなじ。当時の背景に詳しくない人にはこちらがお勧め。
この本には大東亜戦争(太平洋戦争)に突入する前の約1年ほどの日本政府の動きが、当時の大日本帝国の政府中枢にあり、開戦時の首相であった東条さんの手で記されている。第一級の歴史資料であり、一次資料。
で、この本を読んで、東条さんが独裁者ではありえなく、軍官僚であったかもしれないが、軍国主義者では決してなく、天皇陛下に忠義を尽くした日本の侍そのものの人であり、ファシストとか極悪人って、一体誰?という事が良く判った。
東条さん、くそまじめです。こんな人が会社にいたらちょっと面倒くさいと思わせるぐらいくそまじめで、天皇陛下に思いっきり忠誠を誓っています。天皇陛下に忠誠をささげる独裁者って、矛盾しまくりですよね。それに、前任者の皆さまの失敗・失政・失言(近衛さんの「蒋介石を相手にせず」など)のしりぬぐいと後始末をして、どっちを引いてもどつぼの選択肢しかないような段になってから政権を任されて、それに対して愚痴の一つもこぼさないなんて、まさに、日本の会社員の鏡ですよ、東条さんは。
さらに、この本を読んで僕が理解したことは、大東亜戦争(太平洋戦争)が自衛戦争だったという事。
戦争前に日本が如何に米英蘭に締めあげられていたか(石油禁輸、資産凍結、クズ鉄禁輸などなど)が良く判ったし、宣戦布告にも等しい事をさんざん米英蘭にやられていた上に、日本は誠心誠意を尽くして交渉に臨もうとしていたのに、アメリカは譲歩の欠片もなく、全く交渉する気すらなかったという事も判ったし、そもそも、エネルギー断たれたら近代国家として成り立たないんだから、日本は自衛のために戦争という最後の手段に訴えるしかなかった、という事が良く判った。
それに、日本が米英蘭を追い出したことで、アジア諸国が植民地支配から脱却し、独立へと動き始めた事も記述してある。
今の日本がやっていること、つまり東南アジア・南アジア諸国の支援を、当時の大日本帝国もやっていたという事だ。(台湾を除く東アジア諸国は、あほほど支援しても礼の一つもないから、もう関わらないで良いと思うよ)
歴史は繋がっているし、日本人も繋がっている。
戦前、戦中の日本人は僕たちと同じ日本人であって、極悪非道の軍国主義者では決して無くて、やむにやまれず、自分たちの家族と国を守るために、無謀と知りつつもアメリカと戦って負けてしまったという事。
僕たちは、家族と国のために戦った戦前戦中の日本人を、自分たちの父祖として尊敬を持って正当に評価するべきだと思う。今の僕たちが平和と繁栄を謳歌できるのも、命をなげうって戦った僕たちの父祖があってのこと。悪しざまに言ったり、悪者と考えて罪を押しつけるなんて、とんでもないことと思う。
でも自虐史観の歴史教育って、僕たちの父祖、つまりおじいさんやおばあさん、曾祖父や曾祖母、そしてその前の人たちを、極悪人の犯罪者として教育しているっていうことで、その「とんでもないこと」を、これまで国が率先してやってきたっていう事で、これって、純粋の日本人的にはかなり絶望だよね。この事態は絶対に糺されないといけないと思うよ。
日本が世界から真に尊敬される国と国民になりたいのなら、自分たちの父祖を正当に評価し、尊敬することが大切だと思うよ。
なぜかというと、それがワールド・スタンダードだから。
自虐史観なんて、世界の標準からするとありえないし、ちゃんちゃらおかしいよ。