前回のエチオピア行きがかなり重い印象を僕に与えたことは、滞在中から感じていたし、日本に帰ってからも思い返すことが多かった。
まぁ、真黒い煙を吐いて坂を上って、ハンドルをすこし回した状態でまっすぐに走るという年季の入ったランクルで悪路を3,000kmほど走破して、赤茶色の埃にまみれながら標高1,800mから3,600mまで回ったんだから、それなりに思い出深いのは当然なんだけど、それだけじゃないような気がする。
目的が「水に困っている地方を巡る」というものだったせいか、首都アディスアベバでは見られない素顔のエチオピアの人々を見たような気がした。実際、女性や「子供」といっても良いぐらいの年齢の女の子が「水運び」という重労働に「ごく普通に」従事している姿は、僕に重い印象を与えた。
ある町なんかは、井戸の故障で公共水道がまったく機能していないという状況で、診療所で使う水にも事欠くありさまだった。あまりの貧しさに愕然とする、というよりも、現実として認識することを拒否した、という方が正しい。
神戸で水の供給を断たれたことはあったが、それは一過性のものだったし、あの時は神戸に援助が殺到して、急ピッチで復興に向かっていた。
でも、長期間にわたって水道がまったくない町、というのは現実として受け入れたくないものだった。
もしあなたが手術を受けることになったとして、執刀する外科医や看護師さんの手とか手術用具が汚れているけれど、水がないから洗えないという状況を、受け入れることができるだろうか?清潔な水がないから汚い水を汲んでくるけど、煮沸消毒する燃料がないからそのまま飲むという事を我慢できるだろうか?それで子供が病気になったり、命を落としたりすることに日本人の親は耐えられるものだろうか?
なんかすっかりエキサイトしてしまった。エチオピアの印象がまとまったかな?と思って、この投稿を書き始めたんだけど、どうもうまい具合にはまとまっていないらしい。
ただ、日本にいる時よりもベトナムにいる時の方が、エチオピアでのことがより印象的に感じられるような気がする。
ハノイで日本食を食べようと思っても、日本食レストランにはまったく苦労しない。でもエチオピアでそんなものを望むのは論外というものだった。それだけ、エチオピアで日本人駐在員のご家庭に呼ばれて味わった日本食は、僕にとって感動深く、かつ美味しいものだった。
それ以上にハノイで感じることは、エチオピアには(正確にはアフリカには?)何もないというか、アジアはずっと発展しているというか、とにかくアフリカが本当に Developing ということかな?
ベトナムにいると、10年後、20年後にはすごいことになっている、ということを肌で理解するけど、アフリカで思ったことは、そういう状況に至るために必要なものがまだまだ欠けている、ということだった。
最近、根拠もなく思うことなんだけど、途上国援助ってのは、先進国に課せられた一種の富裕税みたいなものなのだろうか?と考えることがある。
もちろん、その国が先進国であるのは国民の努力と勤勉のたまものであるのは間違いないが、地球の資源という「公共財」を利用して豊かになったのも、また否定できないところじゃないだろうか?
かといって、途上国の言いなりになってお金を出せばいい(☆)というわけじゃもちろんないんだけど、アフリカ、アジア、日本を比較してみると、そんな気がしてくるなぁ。
まぁ、そうはいっても日本の幸福度は低いそうですから、まずは「幸福度」を高めることが日本人には必要でしょうか?
電車が1分遅れたことをアナウンスしなければならないってのは、どうなんでしょうか?
一分一秒を争うビジネスマンがカッコいいなんてことはビールの宣伝だけの話で、本当は自分が時間をマネジメントできるのがいいんじゃないのかな?
目的は予定を埋めまくって自分をすり減らすことじゃなくて、いい仕事をすることでは?
いい仕事にはいいアイデアが必要で、いいアイデアを生むにはオフの時間も必要で、そういったことで自分の時間をトータルでマネジメントできるのが、仕事ができるってことじゃないのかな?
効率化や生産性を追求しすぎて窮屈になって、会社は利益を上げても頑張った社員は窮々としているとか、他人を「無駄」とこき下ろしていい気になりながらも自分が「無駄」といわれるのを恐れているような状況とか、合理化やコスト削減に血道をあげていたら当の本人が削減されていたなんてことでは、「幸福」なんて望めないでしょうね。
日本でやっている「合理化(リストラクション)」ってのは、単に人減らしであって(ということは就労者のパイが減るということ)、本来あるべき「合理化」とはずいぶん違うんじゃないのかな?
日本人ってのは、もっと優しい国民性も持っていたんじゃないのかな~?
今の日本を見ていると、日本人の良いところが擦り切れてしまい、日本人の悪いところが強調されているような気がします。
みんなが豊かで幸せになれるようなソリューションを描けるような、そんな人になりたいところですね。
という感じでまとめてみましたが、支離滅裂な投稿になってしまいましたね。
(写真について)
今回使った写真は、最後の桜(神戸で撮った)以外はすべて、エチオピアで撮った写真です。
☆:エチオピアの首相は、温暖化は先進国のせいだから、温暖化による気候変動でアフリカが被る被害は先進国が援助してコンペイセイトするべき、という論陣の急先鋒だったような気が。。。
水資源の関係の仕事をされているのですね!水資源に関係したビジネスには、個人的にも興味があります。Yoshinoriさんのように、"現場"を持っている人の経験や意見は非常に勉強になります。搾取され続けていた人々が目覚め、少しでも豊かになろうとする動きがアフリカで広がっているのは、当然のことだと思います。それがナショナリズムと結びついて、先進国の資源確保と利益相反しても、文句は言えないでしょう....
ReplyDelete先日テレビで観たNHKスペシャルでは、タンザニアで外資と格闘しながら金鉱をる現地の人々(野ウサギとよばれている)が資金を出し、水不足で困っている病院のために井戸を掘ったという話しを紹介していて、感銘を受けましたよ。
海坊主さま、こんばんわ。
ReplyDelete水資源関係もしますけど、そのほかもしますよ~。
水の仕事は、確かに面白くて、やりがいもあるのですが、大変です。
僕も石油の仕事に興味はあるのですが、敷居が高くて、なかなか・・・です。
アフリカはこれから変わっていくと思います。
まだまだ、道のりは多難で、彼ら自身が変わったり、支援は必要だと思いますが。。。